November 14, 2004

第1回リアクション E3 S−2


 S−2 クォリネの歩き方

 おいでませ。星と珍獣の村、クォリネへ。

?星の村、クォリネ
 クォリネはアセイラムで最も星の良く見える村です。その要因には、クォリネの上空はいつも晴れ渡っているという事が挙げられるでしょう。
 そしてどんな高地よりも、空が近くに見えます。なぜそうなのかは今でも解明されていません。
 こうした天体観測に適した環境のせいでしょう。クォリネは多くの著名な天体学者を輩出しています。大地球体説や地動説を唱えた、偉大な数学者にして天体学者、エフアもこの村の出身です。

?珍獣の村、クォリネ
 クォリネの南には通称「珍獣の森」と呼ばれる森があり、そこにはここでしか見られない数多くの珍しい動植物が棲息しています。そのせいでクォリネは「奇跡の地」と呼ばれることもあります。 以下に代表的な珍獣を紹介しましょう。
〇ヌー……何百頭という群れをなして移動する牛。普段はおとなしいが、その巨体の群れに押しつぶされれば一溜まりもない。
〇ナゾベーム……四本の長い鼻を地面につけて歩くネズミの様な生き物。尻尾が異様に長く、これを利用して木から木へと移ったり、食べ物を口に運んだりする。
〇ハネネズミ……背中に小さな羽根を持ったネズミ。その羽根は空を飛ぶためのものではなく、生殖期に雌雄がペアリングのための信号を発するためのもの。この時羽根は発光する。また交尾後は雄雌ともに大量に涙を流し始め、体液不足で死んでしまう。<生殖が死につながる>珍しい種。
〇ドモス……外見はウサギみたいだが、目が青く、二本足で歩く生き物。木登りが得意で高い木の果物を食べる。
〇ユープケッチャ……足の無い黄金虫のような昆虫。自分の糞がバクテリアなどで養分になるまで期間をおいて、再び糞を食べる。その期間の空け方がユニークで、自分の体をゆっくりと反時計回りに回転させながら摂取と排便をする。その回転の正確さのため、時計代わりに使われることもある。

?白い館
 「珍獣の森」の入り口辺りには「白い館」と呼ばれる建物があります。
 それは白い木造建築で、窓のある所には全て板が打ち付けられています。何百年も前からある建物ですが、朽ちた所は一つもありません。
 入り口の扉は固く閉ざされており、誰も入ったことがありません。
 50年ほど前、村を訪れた魔法使いに鑑定をしてもらったところ、魔法の力によって維持・防御がなされていることが分かっています。また魔法使いは「本当の助けが必要な時は迷わずこの館に入るがいい」という言葉を残しています。

?クォリネの言い伝え
 クォリネでは陽光を肌に触れさせる事はタブーとされています。
 クォリネには古くから「過去は太陽、今は星、未来は月」という言葉があります。太陽には未だ生まれざるもの、月には生を終えたものが住んでいると言う意味です。新しい生命は陽光よりこの地に降り、死者の魂は月光により月へと昇る。
 クォリネの住人は「新生の光である陽光は既に魂を宿す器には強烈であるため、直接浴びるのは危険。陽光はまず大地に注がれ、そこから新しき魂を授かるべき」と考えています。また「死者の光である月光を三千夜浴び続けると生ける屍となってしまう」とも考えています。
 クォリネを訪れる場合には大きな麦藁帽子と手袋を用意するといいでしょう。もし忘れたとしても、村人が快く貸してくれるはずです。




Posted by hastur at 12:22 P | from category: リアクション | TrackBacks
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