September 01, 2005

第4回リアクション E1 S−1


 ある殺人に関する物語・遅刻用


「なぜ父親を殺したの?」
 「父が私を殺そうとしたから」
「なぜ父親はあなたを殺そうとしたの?」
 「私が母を殺したから」
「なぜあなたは母親を殺したの?」
 「本当は私が殺したのではない」
「では誰が殺したの?」
 「死が母を殺した」


 S−1 体験のフラッシュバック

 意を決して外の世界を話すルア。
  「もう戦争は終わってるんだよ」
 すぐには信じようとしない<誰でもない>。
  「そんなはずはない!」
 だが次第に彼の話を信じ始める。そして自分の心を話し始める。
  「私はいつも壁と天井と床に囲まれていた」
  「生まれてからずっと囲まれていた」
  「どこを向いても壁と天井と床」
  「私は……外を見たい」
 そして彼女の外界に関する最初の質問は
  「太陽の形は?」

 三人でカードに興じる。
  「また負けちゃった……」
 負けるのはいつもルア。
  「いつも竜を最後まで持っているからですよ」

 ジェイルはうっかり青い鳥を逃がしてしまう。
  「どうやってつかまえよう……」
 見えない鳥を探す方法は、おとぎ話の中か?

 柱時計を動かすと、地下への階段が現れた。
  「どこに続いてるんだろう?」
 行き着く先は彼女の研究室。

 アコーディオンを奏でる<誰でもない>。
  「一緒に踊らない?」
 それはホールで聞こえた曲だった。

 クォリネの言い伝えを聞かされる。
  「私は陽光を浴びたことがないから」
  「だから母を殺さないと生まれなかった?」
 彼女の願いが変わる。
  「私は母のいる月に行きたい」

 彼女はパイプを吸う。
  「こういうのを吸わないと、正気を保てない」
 そしてパイプを銜えたままアコーディオンを弾く。

  「僕達は人間なんだ」
 ルアの告白でもこれだけは信じない。
  「あなた達が人間な訳ありません」
  「人間はもっと野蛮で攻撃的」





08:27:38 | hastur | comments(0) | TrackBacks