March 24, 2005

ラヴクラフト全集


 先週、何気なく新聞を見ていると「ラヴクラフト全集完結」の記事がありました。

 ラヴクラフトとは、1920年くらいに怪しい小説群を発表した(ぉぃ)アメリカの怪奇小説作家、H.P.ラヴクラフトの事です。
 そして、「ラヴクラフト全集」は東京創元社刊行の、その名の通りラヴクラフト作品の全集なのですが、その新聞の記事によると様々な困難が待ち構えていたようです。

 殆どの翻訳作業は大瀧啓裕先生。日本のラヴクラフティアンで知らない人はいないでしょう。個人的には固有名詞の翻訳に違和感を覚えるのですが(マテ
 困難とは、まず原本が見つからない点だったりします。「全集」と冠している以上全ての作品を網羅しなくてはいけないのですが、どの時点の発表のものを原本とするか。それが分かりづらかったり、所在が分からなかったりというものが沢山あったようです。
 それに加えて、翻訳作業そのものも難しいものだったようです。……というか、読んだ事がある方ならその難易度は分かるでしょう(笑) ラヴクラフトは独特のリズムの文体を得意としていて、ワンセンテンスが異常に長いです。しかも、古めかしい単語も多用している為、翻訳家殺しな作品のようです。

 ともあれ、全集完結はめでたいことです。
 これを機に、読み返してみるのも一興かと。

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08:42:15 | hastur | comments(0) | TrackBacks