September 17, 2007

3周年


 今日で、このブログを始めてちょうど三年です。
 というわけで、当初の目標、「三年間、毎日更新」を達成しました。
 一行しか更新しなかったり、書き溜めているものをアップしてるだけだったりと少しいんちきですけど(笑)

 これからですが……とりあえず、毎日更新はもうやめます(ぇ
 ぷっつり更新しなくなるかも知れませんし、明日も変わらず更新するかもです。
 ここを削除するということはないので、時間のある方は過去ログでも読み漁ってみてくださいな、と。

 それでは、一旦さようなら〜。





08:42:21 | hastur | comments(31) | TrackBacks

September 16, 2007

[DK3]落鳥×2


 赤眼の塔2階で再合流したテクト・リですが、火力不足は否めないと言いますか……結構長期戦ですね。
 そんな中、2戦とも鳥さんが落ちました。厳しい。

 一応勝つことは勝っているので奪われたアイテムは奪い返してますけど、一旦立て直さないと今後はつらいかもです。

 というか、いつもならクマが落ちるはずなんですけど……(ぉ
 あ、仕様変更のせいですか(マテ


 リンク:テクト・リ 結果


01:31:24 | hastur | comments(1) | TrackBacks

September 15, 2007

第8回リアクション E4 S−1


野生の少年 (L'Enfant Sauvage)



「死と太陽は直視することは不可能である」
「死は人生の終末ではない。生涯の完成である」
 これらの言葉はある意味真理であろう。しかし、人間にしか当てはまらないかも知れない。
 そもそも、「生物」と「生物で無いもの」の境界線はどこであろう。それは、そのものが夢を見るかどうかではないか。その辺に生えている植物も、転がっている鉱物も、夢を見ていると主張するならば、それは「生物」と言って良いのではないか。
 さて……「ホムンクルスは電気鼠の夢を見るか?」


 S−1 博士の異常な愛情

 《アルカディアにもいるもの》の弟子、ミアは、師匠の居室を訪れていた。いつに無く、真面目な表情で。
「師匠、お話があるの〜。……って、それなぁに?」
 その深刻そうな顔も、長い時間は続かなかった。
 師匠、テオフラスト・パラケルススは杖の手で奇妙なものを掴んでいた。にゅるにゅると動き回るそれは、ウナギのようにも見えた。
「儂の新作じゃ。名前はまだ無いがの。で、何用じゃ?」
 テオフラストはウナギのような人工生命を箱にしまうと、ミアの方を向いた。
「あ、えっとねぇ……気になってることがあるのぉ。インザーラちゃん死んじゃった時、マンドラゴラ手に入らなかったのが痛かったって言ってたでしょ?」
「うむ。」
「それってもしかして、カヲルちゃんも同じこと?」
 普段とは違い、悲哀の色を見せるミアの顔。
「まぁ、そういうことじゃな。」
 テオフラストは若すぎる弟子に解説してみせる。
「そもそも人工生命というのはゴーレムと違い、その維持が難しい。ほれ、ほったらかしにしてたあやつは、まだピンピンしておる。」
 そういって、部屋の隅に設置された檻に収容されている、フレッシュゴーレムを指す。数週間の間、寄宿舎を騒がしていた、例のゴーレムだ。
「そして、人工生命は知能が高ければ高いほど、その維持が困難となる。つまり、『寿命が短い』」
 最後の単語を強調して言う。ミアは黙って相槌を打っている。
「この問題をクリアするには……というか、急場凌ぎするには高等な触媒が必要となる。それがマンドラゴラと言う事じゃ。」
「ふ〜ん……じゃ、カヲルちゃんもマンドラゴラが無いとすぐに死んじゃうってこと?」
「さぁ? すぐかどうかは分からんわ。儂もホムンクルスを作り上げたのはまだ二回目じゃ。その辺の問題点を洗い出す為にも、おぬしには観察を続けてほしいと言うことじゃな。」
 観察、という言葉に違和感を感じつつ、ミアは質問を続けた。
「じゃぁ、もうひとつぅ。マンドラゴラって何?」
 ずっこけるテオフラスト。
「そんな事も知らんと質問しておったのか。マンドラゴラというのは怪異の一種で……。」
 マンドラゴラについて、知識を授けるテオフラストだったが、ミアがどれほど理解しているのかは分かりかねた。
「ってことはぁ……ティモル島にしかないってこと?」
 その触媒の在り処について、問い詰めるミア。
「そういう事になるかの。まぁ、いくつか保有してる人間はいるじゃろうが。……インタの奴とかの。」
 テオフラストは《怪異学派》の学部長の名をあげた。確かに、マンドラゴラを持っていてもおかしくは無い人物だ。
「なんだぁ! インタちゃんに貰えばいいんだ☆」
 おなじみの鉄拳制裁。
「そんな貴重なもん、ただでくれるような奴と思うか?」
 頭をさするミア。ちょっと涙目だ。
「でも……それが無いとカヲルちゃんが死んじゃうんでしょ?」
 そんな様子を見て、テオフラストはため息をついた。
「しようが無いのぉ。ほれ、こいつをくれてやるわ。」
 そう言って、籠から一体の人工生命を取り出す。それは白く短い毛に覆われた、蛇のような生き物だった。
「え? 何これ? かっわい〜♪」
「見たいと言っておったじゃろうが。『ヘビウサギ』じゃ。」
「でも、それってグレイちゃんがダメにしちゃったんでしょ?」
「なに、これくらい新たに作るのは簡単なことじゃ。」
 テオフラストの目尻が微妙に緩む。
 ミアの機嫌は、少しだけよくなったようだ。





00:44:37 | hastur | comments(0) | TrackBacks

September 14, 2007

第8回リアクション E3 S−2


勝手にしやがれ (A Bout de Souffle)



 怪物と戦う者。それはその過程で自分自身が怪物にならぬよう、強固な意志を持たねばならない。
 何故なら、深淵を覗く時には、深淵もまたこちらを覗いているからである。


 S−2 捜索者

 コリューンはその後で、《怪異学派》の弟子たちと接触を持つことにした。一連の怪異に関する騒動について、自分なりに真実を掴みたいという欲求からだったのかも知れない。すべての授業が終了した放課後、コリューンはザイクロトル・オークラノスと食堂で落ち合うことができた。
「やあ、今日は何用だ?」
 きさくにはなしかけてくるザイクロトル。コリューンは、彼の知っている、怪異に関連した情報をどう引き出そうかと思案していた。
「寄宿舎を荒らしまわっていた……という怪異が、その後どうなったか知りたいんですけど。」
「あれは……パラケルスス先生の……っていう話をしただろ。」
 急に声をひそめるザイクロトル。
「いえ、それ以外でも、各地で問題になっている怪異の騒動について、その……関連性というか。」
「どの?」
「魔術学院を破壊してまわっていた、とか……。」
「ああ、あの事件か。そういやあれ以来、ここしばらく話を耳にしないな。どこかに逃げて行ったのかも知れないぜ。」
「そうなんですか?」
「解らないがな。でも今、この現状では何も問題は起こっていないじゃないか。」
「確かにそうですね……。」
 コリューンは軽く溜め息をついた。
「まぁ、俺が知ってることで、聞きたいことがあったらいつでも言ってくれ。」
 ザイクロトルはそう言って、食事にありついた。

 別の日。コリューンはラウダンクルクス・ケレス教諭とその授業の参加者が行方不明になった事件について考えていた。これも、怪異となんらかの関係があるのではないかと推測を立てたのであろう。
 しかし、どこから、あるいは誰からその関連情報を集めるのかと言う事までは考えていなかったようだ。情報が得られなければ、さしたる進展も無い。コリューンは途方に暮れていた。
 そんな時、ペンタルームから出てくる《アルカディアにもいるもの》学部長、イフオブ・サンクッパーの姿を見かけた。彼は「ショウめ、何をやっておるのだか……」と一人こぼしながら歩いている。
 行方不明になった学生の中に「ショウ」という名前があったこと、ショウはイフオブの弟子だった事を思い出したコリューンは、イフオブを呼び止めた。
「あの、ショウさんのこと、ご存知なんですか?」
 コリアエでも一二を争うほどの巨漢、イフオブを見上げながら尋ねるコリューン。
「ん? ああ、さっきその部屋で話して来たところだ。」
 イフオブはそう言ってペンタルームの扉を指差す。
「え? ここにいたんですか? 行方不明じゃなくて?」
 思わず聞き返す。
「百聞は一見にしかずだな。行ってみるといい。」
 それだけ告げて、イフオブは忙しそうに立ち去っていった。
 コリューンは言われるまま、ペンタルームへと踏み入れた。普段ペンタをやらないコリューンにとっては縁の薄い場所で、中の様子は余り詳しくない。
 入ってみると、そこにはいくつかテーブルが並んでおり、そこにはペンタのカードが広げられていた。当然、対戦に夢中になっている者が幾人かいる。壁には本棚や大きな姿見があり、鏡の前には漆黒のローブを纏った男が立っていた。男は鏡の中をじっと覗いている。
 よく見ると、鏡には男の姿は映っておらず、代わりに草原にカードを広げてペンタに興じている二人の人間が見えた。
 暫くすると、鏡の向こうでは試合が終わったらしく、片づけを始めようとしていた。その二人はコリューンには少し見覚えがあった。
 《アルカディアにもいるもの》のショウ・服部とフォルティア・マイアだ。思わずコリューンは鏡の中に向かって声をかけた。
「あの、ラウダンクルクス先生の授業の方たちですよね? 何が起こったのか教えてくれませんか?」
 それに答えたのはフォルティアだった。
「いいですわよ。その代わり、こちらからもお願いがあるの……。」
「ええと……内容にもよりますけど。」
「まあ、いいですわ。まず、こちら側の事を教えてあげましょう。」
 そう言うと、フォルティアはこれまで起こった事を掻い摘んで説明してくれた。
 ラウダンクルクスの授業で、コリア島の森の奥で『虹』の精霊と綱引きをしたこと。
 綱引きに勝つと、精霊界の扉が出現した事。
 先週、その扉をくぐって精霊界に来た事。
 扉が消えてしまった事。
 精霊界の『湖』とペンタルームの鏡が繋がっていて、映像と音声はやり取りできるようになった事。
 人間が精霊界に入り込んだことでバランスが崩れ、人間界に『怪物』が出て行こうとしている事。
 エトセトラ、エトセトラ……。
「……という訳です。まだ、そちらに帰る手段も見つかっていません。」
 結構緊迫した状況だと思われるのに、フォルティアは穏やかに言葉を続けていた。ショウは話が長くなると感じたのか、既に立ち去ったようだ。
「そうだったんですか……じゃ、怪異とはあまり関係が無いのかな?」
「怪異? さぁ、それは分かりませんが。それより、こちらのお願い、聞いてもらってもいいですか?」
「あ、はい。」
「先々週くらいに、中庭の花壇が何者かに荒らされた、と言うのはご存知?」
 そう言えば、そんな話もあったような気がしたが、あまり関心が無かったのでコリューンは詳細までは知らなかった。
「それで、その犯人を捜して懲らしめて欲しいの。美化委員長としては、とても許しがたい……。」
 今までの雰囲気とは一変して、フォルティアの肩がわなわなと震えている。
「お願い、出来るかしら?」
 口調が強い。強要のようにも聞こえた。
 “賢者”探し、消えた怪異、精霊界に花壇荒らし……コリューンは体が足りないと感じ始めていた。





00:20:15 | hastur | comments(0) | TrackBacks

September 13, 2007

第8回リアクション E2 S−1


寒い国から帰ったスパイ (The Spy Who Came in from the Cold)



 さて、物事の秘密を探る方法としては、どのような手段が挙げられるだろうか。
 一番現実的で直截的なのは、対象となる人物に接触し、聞き出すことであろう。
 しかし、相手が警戒し本当のことを話さない可能性もある。そこを乗り越える為に、こちらが「探っている」ということを相手に悟られないような工夫が必要となる。
 これが「スパイ」の始まりではないか。


 S−1 本能

 《鎚と環》のクロノス・サイクラノスは、《怪異学派》のロッコ・アウアアの行動を探ろうと考えていた。しかし、途方に暮れているところだった。
 ロッコの動向を探ろうと思っているのだが、具体的にどうやって探るのか、そこまでは思案していなかったので当然といえば当然だが。例えるならば「今日は肉料理にしよう」というところまでしか考えておらず、焼くのか煮るのか、あるいは辛い味付けにするのかそうでないのか、そういう具体的な料理法までは決めていない、とりあえず肉だけは手に入れているという感じであろうか。このような状態ならば、肉を眺めて指をくわえるしかないのではないか。……肉を放り込めば自動的に美味しく調理されるような魔法の箱でもあれば話は別だろうが。
 とりあえず、あとをつけるという方法を実践してみるクロノスだった。

 放課後になると、見失わないようにロッコの後を尾行するクロノス。ロッコは何か忙しそうに、早足で廊下を移動していた。
 すると、ロッコはとある部屋に入っていった。風紀委員の部屋だ。
 クロノスは中の様子を窺おうと、レアを扉の前に送った。聴覚を同調させ、中の会話を聞き取ろうと試みる。
 しかし、何も聞こえてこなかった。まるで、誰もいない部屋のようだ。
「おかしいですねぇ……。」
「ルークがいるんだろ。」
 急に後ろから話しかけられ、慌てて振り返るクロノス。そこにはいつの間にか、灰色のローブを着込んだ、中年の男が立っていた。
「『凪』の精霊であるルークは、防音魔法が得意だからな。」
 男は気にせず解説を続ける。
「困りましたね。これでは手詰まりですよ。」
「ロッコを調べたいのかい? じゃ、簡単な方法があるが。」
「それは……?」
「ヘクサリオンに入ればいい。内側から色々と調べる事が出来るだろう。……まぁ、君が入隊できるかどうかはかなり怪しいがな。」
「どういう意味で……?」
 クロノスは疑問を口に出す事しか出来ない。
「適性ってものがある訳だよ。じゃ、カミさんが煩いんで俺はこの辺で。」
 立ち去ろうとする灰色ローブの男。
「あなたは一体、何者ですか?」
「ただの噂好きなおじさんさ。」
 その言葉だけ残し、男はその場を去った。
「誰だったんでしょう……あ。」
 そこまで言ってクロノスは思い出した。今日の放課後、ブラシウス・ヘルバの手伝いについての説明が行われる事を。
 急いでレアを引き戻し、クロノスは教諭塔へと駆けていった。





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